POCKETS -まちなかのタテウリ住宅-
岡山駅から自転車圏内のまちなかハウスプロジェクト第1弾!
東山2丁目に完成した小さな住宅
街中の狭小土地に「小さいながらもゆたかに住む」をテーマにハウスプロジェクトを起ち上げました。
今まであるようでなかった「まちなかタテウリ住宅」となっております。
設計者が考えたこと。
「小さくゆたかに住むこと」
すまいに対する価値観はひとそれぞれですが、小さいということで価値が減るのではなく、
「小さくてもゆたかに住む価値」をつくりたいと考えました。
例えば、ミニクーパーという車は、その小さな車体に凝縮された機能と、洗練され考えつくされたデザイン性を「価値」と捉え、
無意識に大量に作られているモノゴトでの反意でもあるかのように、数ある車種の中から選ばれ多くのファンを持っています。
この小さな敷地を見たとき、既製品を当てはめられない魅力があると思いました。
そして建築するための法律や施工の条件も厳しいので、たくさん考え、たくさんイメージしました。
必然的にこの場所にしかなり得ないものをつくることになりました。
行きついたのは、「ソト(外部空間)をインテリア化する」ことでした。
15坪という小さな敷地の上、その建築の法律で敷地いっぱいに建物を建てることができません。
その建てられない余白を室内に引き込めば、ソトもナカの一部になり、
視界が広がり空間も広く感じられます。しかし、敷地範囲を見渡すと、東西南側は隣地の住宅が迫っていて、
大きく開放しても周囲の視線が気になってしまいます。
そこで、北側と空側に「POCKET」を作ることを考えました。
「POCKET」内のバルコニーに植物を置けば、室内にグリーンがあるように思えるでしょう。
使い方を限定しない「フレキシブルさ」
静かな1階は家族の生活スペース以外にも想定しています。
例えばアトリエや、ゲストスペースのように、家族以外の人の出入りの可能性も考えトイレを設置しています。
広めの空間がとれた2階は、住む人が集まる場所のイメージですが、南側のスペースを区切ればそこはは一つの部屋にもなります。
区切ってもダイニングキッチンが暗くならないようにトップライトを設けています。
トップライトからは青空・星空・夕焼け・雨雲・飛行機雲、、、と空の変化を感じることができ、インテリアの一つになります。
キッチンの対面にある小さな部屋は住む方に使い方を考えてもらう空間です。
パントリーや収納としても使えますが、大きな窓越しにあるので、書斎・家事室・子供部屋、、、と使い方は広がります。
水回りは3階の「POCKET」に面して配置しています。
水回りは一日の中で使う時間が限定しているので、使わない時間オープンにしておけば、風も光も入ってきます。
モノがかさ張る水回りの家事のスペースは壁面を利用して収納できるようにしています。
日中、家にいるのであれば、3階のROOM2をワークスペースにすることをおすすめします。
プライベート感があり空も見れるとても気持ちがよい空間です。
屋上からは、近くの小高い山がよく見渡せます。周辺に高い建物が少ないので桜も花火も楽しめます。
周辺の景色を独り占めできる庭として、暮らしのプラスαスペースとして利用できるでしょう。